産後の骨盤ってどんな風に変わるの?骨盤のメカニズムとは?

2021年12月17日

飯田橋院 當銘梨沙

NAORU整体 飯田橋院

H25〜R3:有限会社トータルケアまえいけに入社。大阪心斎橋の院にて勤務し、オフィスワーカーを中心とした方の肩こり・腰痛の症状に対しての治療や姿勢改善に対しての施術をする。
院長としてスタッフ育成・院のマネジメントに携わる。
R3:株式会社NAORUテクノロジーに参画

出産を終えると始まる、赤ちゃんとの新生活。喜びと幸せにあふれる一方、なんだか自分は腰や股のあたりが痛い…そんなお悩みはありませんか?

出産時のママの体には様々な変化が起こっています。
特に骨盤は赤ちゃんが通るために大きく開き、産後はしばらく不安定な状態です。

その間は骨盤が歪みやすく、歪んだまま放置してしまうと、腰痛や股のあたりの痛み(恥骨痛)といった不調につながります。

腰痛・恥骨痛は悪化すると歩けない事態にも陥りかねません。
赤ちゃん優先でついつい自分の体のことは後回しにしがちかもしれませんが、ママの健康なくして育児はできません!
少しでも腰や恥骨に違和感を感じたら、早めに対処することが肝心です。

今回のコラムでは、どうして産後に骨盤が歪むのか、腰痛や恥骨痛が起きるメカニズム、対処法などを解説します。

どうして産後に骨盤が歪んでしまうのか

お腹の中で大きくなった赤ちゃんが外に出てくるためには、骨盤が開かなければいけません。
骨盤は分娩時にいきなり開くわけではなく、妊娠直後からゆっくり広がっていきます。そのために分泌されるのが「リラキシン」というホルモンです。

リラキシンが作用すると、骨盤を支えている靭帯や筋肉がゆるみます。こうして赤ちゃんの通り道が作られ、無事に生まれることができるのです。

つまり、出産直後は骨盤やその周辺の筋肉がゆるんだ状態ということ。

もちろん、骨盤は自然に元に戻ろうとします。
ですが、こちらも開くときと同様、いきなり戻るわけでありません。
個人差はありますが、一般的には3~4ヶ月ほどかかります。

そもそも妊娠中は筋力が低下しているので、骨盤が正常な位置に戻りにくい環境です。
さらに骨盤が不安定な間に育児や家事で動き回っていると、いつのまにか骨盤が本来の位置ではなく、歪んだ状態で戻ってしまうのです。

骨盤の歪みから腰痛が起きるメカニズム

さきほどお話したように、骨盤がゆるむときは周りの筋肉もゆるみます。
ゆるんだ筋肉の分、体の負担は腰にかかるように。そのため腰痛が起きやすくなります。

さらに歪んだ状態で骨盤が締まってしまうと、本来は骨盤が体をしっかりと支えてくれていたはずが、歪んだ分の負荷は腰へと回ることになります。その結果、腰痛になってしまうというわけです。

また、骨盤が前に傾くことで起きる「反り腰」もよくみられます。反り腰とは、背中から腰にかけて不自然に反った状態のこと。

妊娠中はお腹が大きくなるので、重心が前へと移動します。
そのため、バランスをとろうとして反り腰になりやすいのです。出産後も反り腰が癖になった状態で生活を続けていると、腰周りの筋肉に余計な負担がかかり、やはり腰痛に…。

反り腰については、以前のコラムでも解説していますので、
ぜひそちらも合わせて読んでみてくださいね。

反り腰の原因と対処法の記事はこちら

恥骨痛とは?

続いては恥骨痛についてです。
まずは恥骨や恥骨痛とは何かについて少し触れておきましょう。

恥骨とは、骨盤の前側左右にある小さな骨のこと。恥骨結合と呼ばれる部分で連結しています。赤ちゃんが生まれてくるときには、リラキシンの影響で恥骨結合が開き、産後は徐々に閉じる仕組みです。

下記のような症状が起きている場合、恥骨痛の可能性があります。

  1. 歩くと痛い
  2. 寝がえりを打つのが辛い
  3. 赤ちゃんを抱っこしていると痛む
  4. しゃがんだり立ち上がったりするときにズキっとする
  5. 足の付け根が痛む

恥骨痛は妊娠中にもみられ、臨月の場合は出産が近づいているしるしとも言われています。
ただし、臨月とはいえ、あまりに痛みが激しい場合はかかりつけ医に相談してくださいね。

骨痛の原因

産後の恥骨痛が起きる原因としては2つのパターンが考えられます。
1つは、出産に向けて骨盤が開いていく際に、恥骨結合が引っ張られて損傷するパターンです。

もう1つの原因が、骨盤の歪み。恥骨に余計な負担がかかることになり、痛みが発生してしまうのです。

分娩で恥骨結合が損傷した場合は、徐々に痛みは解消されることがほとんどです。ただ、しっかりと休養を取らないとなかなか回復しませんので、ゆっくり休むことを心がけてくださいね。
一方、骨盤の歪みが原因だと、痛みが長引く傾向にあります。
大元の原因である骨盤の歪みを解消しなければ、根本的な解決にはなりません。

恥骨痛は歩けないほど痛みを感じる方もいらっしゃいます。
痛みを感じたら、我慢せずにかかりつけ医に相談しましょう。

腰痛・恥骨痛の対処法


腰痛・恥骨痛の予防法・解消法としては下記のようなものが挙げられます。

産褥期にしっかりと休む

産後、体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を産褥期(さんじょくき)と言います。一般的には約6~8週間と言われており、この間は安静にしてしっかりと休養を取ることが大切です。
すぐに家事をするなどして体に負担をかけてしまうと、骨盤が歪む可能性が高くなります。パートナーや家族としっかり相談し、場合によっては家事代行を頼むなどして、まずは体の回復を最優先するようにしましょう。

骨盤ベルトをつける

骨盤ベルトとは、骨盤のゆるみや歪みを矯正する器具です。妊娠中から付けられる「産前・産後骨盤ベルト」と産後に装着する「産後骨盤ベルト」があります。
骨盤が正しい位置に戻るのをサポートし、腰痛や恥骨痛の予防につなげることができます。

産後骨盤矯正を利用する

産後骨盤矯正を受けると、プロの手で骨盤の歪みを整えることができます。腰痛や恥骨痛といった不調の解消のほか、太りにくく痩せやすくなる・姿勢が良くなる、などのメリットもあります。
ただしすぐに骨盤矯正を行うのは、産後のデリケートな体には負担が大きいですので、産後1ヶ月目以降からにしましょう。帝王切開の方はかかりつけ医に相談してから行ってください。

当院の産後骨盤矯正

当院にも産後骨盤矯正のメニューがございます。
骨盤が開いている方は骨盤を締め、歪みが起きている方は正しい状態へと整えていきます。完全手技で、痛くない整体ですので安心してご来院くださいね。

また、当院は初回カウンセリングに力を入れており、お一人おひとりに寄り添ったパーソナルな整体を得意としています。機械に頼るのではない完全手技だからこそ、個人に合わせた施術ができるのです。どんな小さな違和感でも遠慮なくご相談くださいね。
ママの健康を全力でサポートします!

まとめ
産後、骨盤が歪むと腰痛や恥骨痛といった不調が現れることがあります。
中には歩けないような痛みを感じる方も…。
産褥期にしっかり休む、骨盤ベルトをつけるといった対処法のほかに、産後骨盤矯正もおすすめです。

赤ちゃんの健やかな成長には、ママの健康が不可欠です。
痛みや違和感を感じたら、我慢せずに対処するようにしましょう。

飯田橋院 當銘梨沙

NAORU整体 飯田橋院

H25〜R3:有限会社トータルケアまえいけに入社。大阪心斎橋の院にて勤務し、オフィスワーカーを中心とした方の肩こり・腰痛の症状に対しての治療や姿勢改善に対しての施術をする。
院長としてスタッフ育成・院のマネジメントに携わる。
R3:株式会社NAORUテクノロジーに参画

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