野球肘の種類と予防、対応方法についてお伝えします。

2022年01月14日

大森院 齋藤敦紀

NAORU整体 大森院

宝塚医療大学卒業
平成31株式会社MAHALOA 副院長
令和2年株式会社リライフイノベーション副院長
令和3年NAORU整体大森店院長

日本の国民的スポーツともいえる、野球。最近では大谷翔平選手の活躍で、ますます注目度が高まっていますね。
憧れの甲子園を目指して、日々練習に打ち込んでいる野球少年も多いことでしょう。
親御さんとしては気になるのが、お子様のケガですよね。

野球は投げる動作が多く、肘や肩にケガをしやすいスポーツです。
特に野球が原因で起こる肘の障害を「野球肘」といいます。

今日はそんな野球肘について、原因や対処法など詳しくみていきましょう。

野球肘とは?

野球肘とは、投球動作を繰り返すことによって生じる肘の障害です。ボールを投げた時もしくは後に肘が痛くなり、動きも悪くなります。骨が成熟しきっていない成長期の子供によくみられ、11・12歳がピークです。

主な原因は、オーバーユース(使い過ぎ)です。
何度も投球動作をしているうちに、肘の軟骨や骨が損傷し、痛みが生じます。他のポジションに比べて投球回数の多い、ピッチャーやキャッチャーは特に野球肘になりやすいので注意しましょう。

ちなみに、同じように野球で痛めた肩の障害を野球肩といい、以前のコラムで詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください!

野球肩のブログはこちら!

野球肘の種類

野球肘というのは正式な病名ではなく、野球によって引き起こされる様々な肘の障害の総称です。
「内側側副靭帯損傷」「離脱性軟骨炎」などの種類があるのですが、医療用語はなかなか難しいですよね…。
大まかに、野球肘が起きる場所によって3種類に分類できると覚えておきましょう。

①内側型

ボールを投げるときに、肘の内側の骨や靭帯が引っ張られて損傷するパターンです。
野球肘ではこの内側型の発生率が圧倒的。6~12歳くらいまでの学童期であれば、安静にすることで回復していきますが、高校生以降の大人になると、最終的に靭帯が断裂することもあります。

②外側型

肘の外側が痛むケースは、「離脱性骨軟骨炎」と呼ばれる、関節の中に軟骨が剥がれ落ちる障害が主です。
内側型に比べて発生頻度は少ないのですが、初期は痛みがなく気づきにくい点がやっかいです。
放置して悪化すると、場合によっては手術が必要になるので注意しましょう。

③後方型

肘の後方が、引っ張られたり圧迫されたりすることで痛むのが後方型の野球肘です。
子供の場合は成長軟骨に亀裂が入る「肘頭部骨端線離開」が多く、ギブスで固定することで回復が見込めます。
一方、大人は骨同士がぶつかり合って起こる疲労骨折が中心です。

野球肘になってしまったら

まずは投球をやめ、安静にして肘を休ませましょう。
少しでも痛みを感じたら、しかるべき医療機関を受診されることをおすすめします。
特に外側型の野球肘は、初期段階ではあまり痛みがなく、損傷に気づかず投げ続けて悪化させてしまう場合があります。違和感を感じた段階で検査をすれば、早期発見が可能です。

「ライバルに差をつけられたくない」「大事な試合がある」といった理由で、お子様が練習継続を強く望むかもしれません。ですが、痛みがあるのに無理をして投球を続けていると、状態が悪化し、ひどい場合は手術が必要になってしまいます。

急がば回れの精神で、しっかりと休息を取らせてあげてくださいね。

その上で、体の使い方を見直してみましょう。投球動作は全身運動であり、下半身も大変重要です。
骨盤が歪んでいたり、体幹が弱いと肘や肩に大きな負担がかかります。整骨院や治療院で体の歪みを整えると、全身の筋肉をバランスよく使えるようになります。

また、投球フォームの見直しも重要です。もしかしたら、肘に負担のかかる投げ方をしているかもしれません。

野球肘を予防するには

スポーツにケガはつきものとは言いますが、少し気をつけるだけである程度未然に防ぐことができます。
野球肘を予防するためには、下記の点に注意するといいでしょう。

①無理は禁物。年齢に合わせた投球数にする

先ほど述べたように、野球肘の主な原因はオーバーユース。過度な投球練習は禁物です。

日本臨床スポーツ医学会が1995年に発表した「青少年の野球障害に対する提言」の中では、次のように投球数を抑えることが提唱されています。

・小学生:50球以内/日、200球以内/週
・中学生:70球以内/日、350球以内/週
・高校生:100球以内/日、500球以内/週

成長期の骨は大人よりも柔らかく、傷つきやすいもの。
大人と同じように考えてはいけません。かっては、とにかく練習あるのみ!という風潮があったかもしれませんが、今は年齢に合わせた練習量にすることが求められています。スポーツクラブや部活以外に自主練習する場合でも、年齢に合った一日の投球数を超えないように気をつけましょう。

②ストレッチを入念に行う

体が硬いと、投球するときに肘や肩の負担が増してしまいます。
投げる前にはしっかりとストレッチをして、筋肉をほぐしておきましょう。
練習前後のストレッチは、野球肘のみだけでなく全てのケガの予防に有効です。

また、ピッチングは全身運動ですので、肩や肘だけでなく股関節や体幹などもストレッチしておくと良いですね。

③投球フォームを見直す

投球フォームは人それぞれ。とはいえボールを投げるときに肘が肩より下がっている「肘下がり」のフォームは、肘に負担がかかりやすく、悪いフォームだと言われています。
もし、投球数が多くないのにもかかわらず肘に痛みが発生している場合は、フォームが悪い可能性があります。

安静にして回復しても、悪いフォームのままでは再発しかねません。
肘に負担のかかりにくいフォームへ見直しましょう。

④野球肘検診を受ける

近年、野球肘検診のニーズが高まっています。
チームで行われる場合もありますし、野球肘検診を行っている医院もあります。
お住まいの地域にもよりますが、可能であれば一度受けてみましょう。気が付いていなかった野球肘が見つかるかもしれません。

まとめ
野球肘は、主にオーバーユースが原因で起こる肘の痛みです。
あまりにハードな練習は避け、もしも痛みを感じたら安静にすることが大切です。

また、普段から体全体を鍛えるように意識しましょう。さらに全身の歪みを取り除くことで、筋肉をバランスよく使えるようになります。

一日でも長く競技を続けるためにも、無理は禁物。普段からきちんとケアをした上で、痛みを感じたらすぐに対処してくださいね。

大森院 齋藤敦紀

NAORU整体 大森院

宝塚医療大学卒業
平成31株式会社MAHALOA 副院長
令和2年株式会社リライフイノベーション副院長
令和3年NAORU整体大森店院長

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